on BLUE comics

「3番線のカンパネルラ/京山あつき」あらすじ感想レビュー!人生との向き合い方について考えさせられるストーリーが深い

on BLUE comics
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

個人的に刺さる部分が多くて、読み返すたびに色々新しい発見もあったりして、買って持っておいて何度も読みたいBL漫画でした。えっちなシーンはページ数の割合的にはかなり少ないので、エロ重視の人には向かないかも。

好きになる過程とか、2人の気持ちが向かい合っていく感覚とか、そういう感じではなく、自分との向き合い方とか、人生との向き合い方とか、その辺について色々考えさせられるストーリーだと思うので、そういうのをじっくり噛み締めながら読めるBL漫画が好きな人にはおすすめです。

スポンサーリンク

「3番線のカンパネルラ/京山あつき」全体の感想

「3番線のカンパネルラ」の感想を一言で言うなら、セリフやシーンの1つ1つがもう刺さること刺さること…。

単行本は195ページあって、まあまあBL単行本にしてはページ数が多いっていうのもあるけど、それに加えて、自分の過去とか現在にあるモヤモヤとかわだかまりにダイレクトに突っ込んでくる描写がすごく多くて、いちいちいろんな思考が脳裏をよぎって、体感もっともっとページ数が多いくらいのボリュームを感じた。

.

主要な人物としては3人で、加納、カンパネルラ(男子高校生)、店長ってとこで、最初は加納×カンパネルラのストーリーなのかと思いきや、本命は店長のほうだった。

でもカンパネルラがタイトルを冠している…。

カンパネルラといえば銀河鉄道の夜ってことで、銀河鉄道の夜を読んでからまたここに戻ってきたいものですね。また見え方がかわるかも。重要なシーンは、いつも電車が関わってるし。

.

主人公の加納は恋愛体質で、そこは自分的には共感できる領域じゃないけど、でも羨ましいと思う。恋愛に夢中になれた時期なんて、私にはもう遠い過去だし。

人を好きになるのってドキドキしてふわふわするじゃんね。そういう気持ちをずっと持ってられることが素敵だと思う。もちろん恋は楽しいばかりじゃなくて苦しいこともあるけど。

3番線のカンパネルラ_1話_あらすじレビュー感想

出勤しようと駅のホームで電車を待っていた主人公・加納。それが自殺しようとしているに見えたのか、勘違いした高校生が止めようと飛びついてくるシーンから始まる1話。

たしかに、高校生が勘違いするのも理解できるくらい、フラっとしていて、空なんかも見上げちゃったりして、儚さを感じるシーン。

こう、人間ってわりとオーラ?雰囲気?みたいなのあるじゃないですか。小学生とかはやっぱりフレッシュな雰囲気があるし、筋肉むきむきスーツの人は自信に満ち溢れてるし。

加納はなんか、危ういというか、儚げというか、オーラが薄い感じ?ちょっと薄幸な感じ?のオーラが漂う男なのであります。

まあ、それもこれも1年半前にだめになってしまった恋愛をひきずっているという状況が彼をそうさせているわけでして。

対する、助けてくれた高校生は、なんというか、まっすぐというか正義感というか、そんな感じ。加納と比べて明らかに若いエネルギーがある感じ。

それで、そんな高校生にキュンとして、その高校生を「カンパネルラ」に仕立てて、心の拠り所にする日常が始まる。

恋愛体質という名のもと、恋に憧れながら、傷つくのが怖くて、でもちょっちょしたことで簡単に絆されてしまう加納。それを自分でもわかってて、ときめきながらも一方でどこか客観視もしているんだろうなと思う。

朝の電車で一緒になる男子高校生、たまに身体が触れてしまうお客さん、そして勤務先の店長。

3番線のカンパネルラ_2話_あらすじレビュー感想

加納の休日の過ごし方が、なんかあまりにリアル?で恐怖すら感じた。洗濯して飯作って家事して、ベッドに寝転びながらテレビやビデオを見る…。

SNSをひらけば目に入ってくるのは、休日はジムだとか、ショッピングだとか、おでかけだとか、自己研鑽だとか、そういうポジティブな休日が多いけど、正直キラキラしてないコッチ側の人間からしたらこれがデフォだよな…。

.

カンパネルラとはその後も電車や駅のホームで合わせて、なんなら加納がいない日には心配?している様子。会うたびに、笑顔で手を振ってきたりして。

職場でも、家庭でもないとこに、癒しの存在がいるのってすごくイイよね。日常の中にある非日常みたいな。

加納が勤めている洋装点の店長が、オープンLGBTの若者をバイトの面接するんだけど、それで「色々断られてきたみたいだから、雇ってあげたい」って言ってて、まじかよそんな優しい世界あるんかよ、と思ったね。

3番線のカンパネルラ_3話_あらすじレビュー感想

相変わらず電車でカンパネルラに会って癒される日々を送る加納。

ずっと一緒にいられたらなあ、一緒に高校に通えたら楽しいだろうなあ、と思いながらも、でも2人の進む先は違う、自分は暗いところにいて、カンパネルラの行き先は明るいところなんだと。

なんか、アイドルとそのファンみたいな距離感。自分のことを認識してくれてるアイドル、みたいな?もしくは、ファンとの距離が近い配信者とか。

.

加納の職場のメンバーみんなで飲みに行くシーンがあるんだけど、そこで店長がLGBTバイトくんに告白されたことを公開してて、それに加納が怒るんだよね。「みんなの前で話して笑うことないのに。なんだかんだ優しいようなことを言ってても、結局当事者の苦しみなんて表面上でしかわかってない」って。

っていうのも、2話でそもそも店長はLGBTバイトくんに対して結構配慮したり気にかけたりしてたのね。それが結局、表面上だけの優しさで、この店長は自分(加納)に対しても結局は根本的に理解することもないんだ、っていう絶望にのまれてしまって。

まあ店長の本心は別のところにあって、最終的には、店長はLGBTバイトくんに謝ったし、加納が店長に苦言を呈したこともバイトくんに伝わったし、加納もちゃんと店長の真意がわかったしってことで、円満解決。

.

ちなみに、これまでに、度々店長が飲み物をくれてて、加納はいつもそれを飲まずに持ち帰ってて、机にどんどん店長からもらった飲み物が増えていってたんだよね。

で、3話で初めて加納が店長の前でもらった飲み物を飲むシーンがあるんだけど、これまで飲み物を飲まないことで店長と加納の間にあったある種の壁がなくなった感じで、心の距離の崩壊をそんなふうに表現できるのがすごいなと思って感動した。

3番線のカンパネルラ_4話_あらすじレビュー感想

加納が同僚に裏で「あいつって何が楽しみで生きてるんでしょうねえ?」って言われてるシーンがあるんだけど、これが個人的に心に刺さりまして。

私もたぶん同僚に「何が楽しみで生きてるんだ?」と思われるタイプの人間というか、そういう振る舞いをしてしまうタイプなもんで…。

周りに機嫌よくふるまっといた方が何事も円滑に進むし、付き合いで飲みに行ったり、コミュニケーションとったりしたほうがいいのもわかってるし、やってるやつが仕事もできるんだけれども、わかっててもできないことってあるじゃないですか。

まあ、できる人にはこの気持ちはわからないと思うけどね。できる人にできない人の気持ちはわからないんだよ。

…とまあ話を戻して、まあでも店長はそんなことを言った同僚のことはほっぽって、加納を走って追いかけて飲みに行くんですけれども。なんか、走って追いかけるのって結構好き。自分に必死で向かってきてくれるのって、嬉しいよね、

店長との飲みのシーンもまあいろいろ言いたいことはありますが、その帰りの電車でも刺さる出来事が。

なんかどっかの会社かなんかの接待?飲み会の帰りでスーツの男たちが「楽しかったですね〜、また誘ってくださいね!」とかって言い合ってたのに、別れたあと「あの人無理だわ〜」とか愚痴ってて。

人がどう思ってるかとか、本心とか、気付くのは難しいし、もし本心を言ってくれてたとしても、自分の心に届いてなかったら相手にとっては意味がないんだって、加納が大号泣してて。

私は私で日々の暮らしに重ねて思うところがありまして、相性の良い人に巡り合うことだけでも大変な確率なのに、そのうえ人と人がわかりあうのってやっぱり難しいよなあって思った。

…とかって思わせといて、加納にも、こんな読者にも救いを与えてくれる京山あつき先生。

その後のシーンで、前述の同僚がいいこと言ってて、なるほど、そっち側の人間はそんな風に考えてイイ感じに人生をのらりくらり渡ってるのね、って。みんないろんなこと考えながら、だましだまし生きてるのかもなあ、と思えてちょっとホッとした。

.

夏休みに入って、カンパネルラが電車に乗って来なくなって、店長ともちょっと距離を置くようになって、また若干ネガティブ期に突入?の様子の加納。

カンパネルラが電車に乗って来なくなって、加納が言った「ぜんぶ、ある日、突然に、終わるんだよな」って言葉が刺さった。

これは真理。いつもの日常だった風景は、いつも突然おわる。

3/31まで楽しかった大学生活も4/1になった途端に社会に放り込まれて突然終わったし、昨日まで生きてたうちのおじいちゃんはある日突然、風呂で溺れて死んだ。

.

4話では特に、加納が自宅で飯を食ってるシーンがいくつもあるんだけど、見るたびにおにぎりと味噌汁だけだったり、カップ麺だったりするんだけど、世の男性1人暮らしはみんなこんなもんなの?栄養が偏りすぎてないか。

それとも給料的な問題なのかな?給料的な問題なのだとしたら、社会の闇が深すぎる…。まあ自分も稼いでない側の人間なんで人のことは言えないですけれども…。

.

加納が店長を避け始めて、動く店長。突然の急展開で、おうちご飯が実現し、お酒に酔った勢いで…。うん、なんか、始まっちゃいます。

酔ってベランダで喋ってる時の2人の会話とか雰囲気とかがすごく好き。あー、一生続いてほしいと思わせる楽しい時間だろうなあ、って感じの雰囲気。

始まっちゃう時もなんか、急に性的な空気になって、静かで暗くて、遠くに聞こえる電車の音もきこえて、街のどこかの隅っこの夜の、誰も知らない2人の出来事なんだなって思って、ジーンとした。

3番線のカンパネルラ_5話_あらすじレビュー感想

4話おわりで、なんか始まっちゃったやつが、5話で結ばれてすごいかわいい感じのピロートークがあるんだけど、直後、朝。また、加納の前に大きな壁が立ちはだかる…。

加納「僕と付き合うなら、店長もゲイでしょー」

店長「いや、俺は違うよ」

ってな会話があり(加納が勝手に)こじれてしまうんですよ。まあ、わかるけど気持ちは…。

店長としては、加納が好きなだけであって他の男は好きじゃないからゲイじゃないよって言ってるだけだけど、加納としては、ゲイじゃないなら、いつか別れがくるんじゃっていう恐怖があって。

でもそんな加納の落ち込みのタイミングで、またもカンパネルラくんが登場するのです。

.

ところが、いつもは軽く接触するだけだったカンパネルラと謎の逃避行。2人ともそれぞれに消化しきれないモヤモヤがあって、なんとなく2人でそのまま遠くの駅で降りて、ぶらぶらと。

ここまで思い返すと、加納の気持ちが沈んだ時いつもなぜかカンパネルラがあらわれて無自覚に掬い上げてくれてきたんだな。カンパネルラは恋愛対象じゃなくて、救いの神だったのか。

.

で、カンパネルラが電車を降りると、今度は加納を探しにきた店長が電車に乗るんだよね。えええ、なにその入れ替わりスタイル…。描写うますぎ…。

加納が降りなかった電車を眺めるカンパネルラの視線もなんだかグッとくる。

2人が電車で話してた話は、まあありきたりと言ってしまえばそうなのかもしれないけど、でも人生ってそうだよなあって思って、最後に電車で2人が笑顔で手を繋いでるシーンはなんか泣いた。

そのあとのおうちでの2人のイチャイチャもなんかセクシー&キュートで、特に甘えてる加納がかわいい。ウキウキしてる日常も、ドキドキしてる夜も。しかも、なんか店長も浮かれててかわいい。笑

オジサン2人見て、恋っていいなあ、と思った。

.

加納は、店長と一緒に住むことになって、もうカンパネルラと同じ電車に乗ることもなくなるんだけど、最後に、ネクタイを作ってプレゼントして、ありがとうって言って、1人で号泣してるシーンがまた泣けた。

「ぜんぶ、ある日、突然に、終わるんだよな」って言った加納だから、突然に終わらせないで、カンパネルラとちゃんとお別れをしたのか。

無料試し読みはこちらから(画像をタップ)

タイトルとURLをコピーしました