腐女子が語る『冬知らずの恋』の感想レビュー!※ネタバレあり

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腐女子がお送りする『冬知らずの恋』の読書感想文だよ。『25時、赤坂で』と同じ夏野寛子先生の作品。私はどうも夏野先生の作品が全般的に好きみたい。夏野先生の作品を読んでると、ふと絵画を見てるみたいな気持ちになる。特に、表情と指先の表現がすごく好きです。

『冬知らずの恋』全体のあらすじ

意識してからは翻弄攻×5年間片思い受

「この恋は行き止まりだと思ってた――――。」

愁人(しゅうと)の5年間の片思いが、隣に住むいとこ・千紘(ちひろ)にバレたのはこの夏のことである。千紘は暑い夜には涼しい愁人の部屋にやってきて、同じベッドで寝ていく。愁人の気持ちも知らずに。

そんな夜を繰り返し、魔が差した愁人は寝ている千紘にキスをするが、目覚めた彼に恋心ごとバレてしまう。愁人は「今までと同じ関係を」と頼むが、千紘の視線は徐々に熱を帯びていき……。

片思いの殻をこじ開けられる、溶けるようなときめきの恋。

冬知らずの恋/夏野寛子@祥伝社

【攻め】笠原千紘(かさはらちひろ)…わんこ系ノンケDK

【受け】立花愁人(たちばなしゅうと)…健気な黒髪ゲイDK

1話あらすじ・感想

愁人は、隣に住むいとこの千紘が好き。千紘は、自宅のエアコンが壊れているという理由で、暑い日には愁人のベッドに眠りに来る。ある時、眠っている千紘にキスしながら自慰しているところを母に見られて泣かれてしまう。

それから、母が泣かない相手と恋愛しようと、女の子と付き合ったりしてみるものの、女の子とのキスは気持ち悪くて、やっぱり千紘が好きだと思ってしまう愁人。気づけば、寝ている千紘にキスしてしまっていた。

愁人のお母さんはなんで泣いたんだろうか。息子が同性愛者であることが、そんなにもショックだったんだろうか。序盤から刺さるなあ。

愁人が、お母さんが泣かないようにと、女の子と付き合ったりする努力も切なかった。全然、ダメなことじゃないのに。愁人の「正しくなくたって報われたい」っていう言葉がすごい胸に刺さった。正しくなくないよって言ってあげたいよね…。

2話あらすじ・感想

キスされて「俺、どうしたらいいの」と問う千紘に、愁人は今まで通りにしてほしいと伝える。言われた通り、これまで通りに振る舞う千紘に、ありがたいような、がっかりしたような愁人。

千紘は、これまで微塵も愁人のこと意識してなかった様子なんだけど、でもキスされた日からちょっとずつ愁人のこと意識し始めるようになってて、それがすごく良い。「まつ毛長いなあ」とか「シャンプーの匂いするなあ」とか、千紘に寝ぼけて擦り寄る愁人に「冷房寒いのかな」とか、意識し始めると、いろんなことに気づくようになって。

まあ愁人は、そのことには全然気づいてないんだけどね。

お母さんに自慰をみられてから、愁人と母親はなんかぎこちなくて、愁人は母親に「わかってくれなくていいから」って言うんだけど、それが大変に切ない。”わかってほしい”じゃなくて、”わからなくてもいい”んだ、って。

千紘への報われない気持ちとか、異性を好きになれない自分の性的嗜好とか、全部1人で抱えるつもりなんだな、っていうのが伝わってきて心が苦しい。報われてほしいよなあ。

3話あらすじ・感想

千紘が、もう完全に愁人のこと好きっぽい3話。愁人の家に行ったり、背中にのしかかったり、耳たぶとかお腹とか触ったり。自分の彼女のことも、若干めんどくさいと思うようになってるみたいで。

しかも、愁人が彼女と帰ろうとしてるところを一緒に付いて帰って、家に押し込んでキスして、俺のこと好き?って熱っぽい目で言う。うん、これは完全に嫉妬ですね。攻めはこれくらい強気にグイッといく感じが見てて気持ちいいよね。

愁人の言葉とか行動の端々から、母親への申し訳なさとか苦しみとかが滲み出てるのが、見てて辛いです。早く千紘とくっついて、報われて幸せになってほしいって思う。

4話あらすじ・感想

『25時、赤坂で』でも思ったんだけど、夏野先生は、たまらまくなってる男の子の気持ちを表情に描くのがめちゃくちゃうまいですね。

千紘にディープキスされて、気持ちよくて、玄関にへたり込んでる愁人が、火照ってるような、期待がにじむような、そんな感じのすごい繊細で艶っぽい表情で、それがすごく好きだなって思った。

夜、千紘が愁人の部屋に来てまたキスするんだけど、愁人は千紘に後悔させたくないからと言って千紘を拒む。でも千紘は離れなくて、そのままベッドに愁人を押し倒す。

愁人はさあ、5年も千紘のこと好きで、それが今向こうからチャンスが来てるのに、よく拒めるなあ。それだけ千紘のことが大事ってことなのか、それとも単に怖いのか。母親への罪悪感もあるのかなあ。

5話あらすじ・感想

キスからのベッドに押し倒した流れで、そのまま身体を重ねようとするんだけど、愁人が怖いって言って、本番はできず。次は止めないから、と言う千紘の言葉に、次があるのかと期待する愁人。

愁人はまだ頭ではダメだって思ってて、でも、千紘のキスが熱くて気持ちよくて、抵抗できないって感じがたまらん。触られると声が出ちゃうのも、自分では気持ち悪いと思ってて。千紘は全く逆のこと考えてるのにね。

千紘が勃ってるのだって、ヤりたいだけでも勃つからとか考えてて。もおおおおお…。千紘は愁人でヌけるんだよ、っていうのを教えてあげたい…。

千紘が愁人の服を脱がせるシーンがあるんだけど、それがなんかすごく厳かなのに煽情的で萌えた。やっぱ夏野先生の画、好きだなあ。肌の質感とか、細かい心情を映し出す表情とか、あと特に指先の描き方が好きで。これが愛しいものを触る指先なんだなあっておもう。

6話あらすじ・感想

夏野先生が描くベッドシーンって、めちゃくちゃ過激に攻めるわけでもなくて、絶え間ないくらい受けが喘いでるとかじゃ全然なくて、むしろゆったりというかじっくり、たっぷりって感じで、スローな感じなんだけど、でも、表情とか視線とか息遣いとかで、興奮がとか愛が伝わってきて、なんというか不思議なんですよね。絵画見てるみたいな気分になる。

あとねえ、受けが、攻めの好きって言葉に濡らしたりとか、攻めが自分のこと好きなんだって思ったときにお腹の奥がきゅうってなるのがすごく良い。ここに気持ちがあるんだって感じる。

愁人はセックスしても、最後の最後まで、まだ心のどこかで、希望を持っちゃいけないって思ってるフシがあって「千紘のが勃ってるうちに入れて」って懇願するんだけど、でも千紘の好きって言葉でやっと理解するんだ。

書き下ろし「十七歳の夏」感想

表情を見る感じ、愁人の母親は、愁人と千紘の関係に気づいてるっぽいんだよね。。やっぱりまだ全面的には受け入れられてないんだろうなって思うけど、でも理解しようと努力はしてるっぽくて、それがホッとした。

愁人としては、確かに千紘と結ばれることはすごく嬉しいだろうけど、でもそれでも母親の気持ちを完全に蔑ろにすることはできないだろうから、愁人の不安が減りそうで安心。

またまた夏野作品全体の話になるんだけど、通常時は攻めの方が余裕あるっぽく見えるんだけど、実は受けの包容力というか懐が意外と広くて、そこがすごくかっこいい。受けに惚れる。

『冬知らずの恋』タイトルの意味を考える

フユシラズっていう花は「悲嘆」「悲しみに耐える」「別れが悲しみ」っていう花言葉を有してるんだけど、これは愁人の千紘に対する想いが、叶わないと思っていた時の心の声なのかな。

フユシラズは、真冬でも沢山の花を咲かすことからその名前がついたみたいなんだけど、これは、愁人の部屋がエアコンで寒いんだけど、それでも千紘と想いが通じ合って、幸せになれたから、っていう意味が込められてるのかなあ、とか思ったり。

またこんな話も。諸説あるんだけど、一説として。

ギリシャ神話で、太陽神・アポロンを崇拝する少年がいたんだけど、ある時アポロンが雲の中に閉じ込められてしまい、アポロンを崇拝していた少年は悲しみに耐え切れずに死んでしまって、その姿を見つけたアポロンは、彼を憐れに思ってフユシラズの花として、この世に再生させたのだとか。

太陽が千紘で愁人がフユシラズ?ってことなのかな。愁人はいつも、エアコンの効いた寒い部屋で千紘を待っていて、千紘は体温が高くてあったかいから、愁人は千紘にくっつくんだけどね。

そういえば作中で、千紘については「熱い」とか「体温が高い」とか「暑いの得意」とか太陽に近い感じの表現がされてて、愁人については「寒いのかな」とか「愁ちゃんの体の冷たいところ」とか、フユシラズっぽい感じの表現がされてる。

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『冬知らずの恋』と同じ作者夏野寛子先生の作品『25時、赤坂で』もすごくおすすめ。よかったら感想だけでも読んで見てね↓

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