腐女子が語る『ラブラド・レッセンス』の感想レビュー!※ネタバレあり

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腐女子がお送りする『ラブラド・レッセンス』の読書感想文だよ。これも好きな作品…。儚げで、静かなんだけど、暖かで、確かな感じが好き。エッチシーンはないので、BLにはベッドシーン必須派だと合わないかもだけど、心情重視のストーリーが好きな人は絶対好きだと思う。

『ラブラド・レッセンス』全体のあらすじ

目が覚めると病院のベッドにいた写真家の藤代春次。どうやらカメラをかばって階段から落ち、意識不明のまま搬送されたらしい。担当医の日賀睦は、偉そうな態度で何かと春次をイラつかせる。だが、なぜか春次の創作意欲も刺激するのだった。そして、睦もまた自分にないものを持つ春次が気になって……。

ラブラド・レッセンス/ymz@大洋図書

【???】日賀睦(ひがむつみ)…写真家

【???】藤代春次(ふじしろしゅんじ)…勤務医

1話あらすじ・感想

写真家の藤代は自宅の階段から落ちて、病院に搬送された。担当医の日賀は、同い年だからという理由で、偉そうな態度をとって藤代をイラつかせる。“医者と患者”として始まった2人の関係だけど、喫煙所で偶然顔を合わせて言葉を交わし、同じ空気を共有したことによって少し変化した…?

藤代は写真家なんだけど、怪我する前、ちょっとスランプというか振るわないというか、本調子じゃない感じだったから、怪我をして仕事から離れられてちょっとホッとした気持ちもありながら、でも不安もあって、多分情緒不安定だったんだろうな。

そんな時に喫煙所でたまたま担当医の日賀に会って、最初はムカついてケンカしちゃうんだけど、藤代の情緒不安定を感じ取ったのか、日賀が言葉をかけて励ましてあげて(本人は無意識)藤代はちょっと元気になって。

なんていうか、こういう必要な時に欲しい言葉とか態度をくれる人って特別に感じちゃうよねえ。与えた本人は無意識のことが多いんだろうけど。こういうきっかけの物語、好きなんだよね。「25時、赤坂で」も似た感じのきっかけで、言葉をくれた人=気になる人になるし。

2話あらすじ・感想

なとなく日賀が気になる藤代は、退院後、自らの写真展に日賀を招待する。それで、日賀に気になった作品を聞いてみたら、それが自分の一お気に入りの写真で。嬉しくなった藤代は、日賀の休日に日賀の自宅を訪れ、額縁に入れたその写真をプレゼントする。

とまあ、ここから2人の交友が始まるわけですが。

2人の言葉とか空気のやりとりが、穏やかで優しくてすごく好きなんだよねえ、この作品。

2人共それぞれに魅力的な人で。普通なら関わりそうにない2人なんだけど、でもそれぞれのもつ魅力にそれぞれが惹かれていく感じ。すごく好き。男だからとか女だからとかじゃなくて、人間としての魅力みたいな。

藤代は、偏見がなくてあっけらかんとしていて素直で、自分の感情に正直。感受性が高くて、写真を撮ることが好きで、人のことをよく見てる気がする。

日賀は、硬派で淡白なんだけど、人に優しくできる人で、実は無意識に寂しさも感じてる気がする。部屋には生活感がなくて、仕事優先で、ちょっと自分を蔑ろにしてる。

3話あらすじ・感想

3話は日賀サイドのお話も少しありながら、引き続き2人の心情と日常が描かれてる。

2人の関係は、たぶん、藤代が歩み寄ってるから成り立ってるような気がするんだけど、日賀は日賀で、藤代が日常に入り込んで来てから、日賀がちょっとずつ柔らかくなってきてて。藤代はそれを喜んでる節もあって、2人が影響し合って変化していってるのが、すごく心にじわっとくる。

お互いを良い方向に影響しあえる関係っていいよねえ。

現実ではなかなかそんないい関係になれる人って少ないじゃないですか。嫉妬とか、醜い感情もいっぱいあるし。それぞれがちゃんと独立して芯を持ってないとできる事じゃないし、どっちかに負い目が合っても、なんかうまくいかないし。

でも3話ではケンカもしちゃう。日賀が藤代に「他に友達いないの」って言って「いるよ!日賀が特別なわけじゃない」って言ってしまって、日賀が拗ねて。

日賀は単純な質問として聞いたと思うんだけど、これまでずっと日賀にスケジュールとか合わせたりして会う努力してた藤代からしたら、そんなこと言われたら寂しいじゃんね。それでとっさに、特別じゃない、って言っちゃったんだよね。ほんとは特別なのに。

4話あらすじ・感想

日賀の心情が語られる4話。日賀の人間性がすごく感じられる。真面目で不器用な人なんだよね。自分の感情をこれまで置き去りにしてきたから、いまも自分の感情に疎くて、わがままとか言えないタイプ。私もこっちのタイプだから、共感してしまう。そして、それとともに藤代に惹かれる気持ちもすごくよくわかる。。

結局ケンカは、藤代が歩み寄って終焉を迎えるんだけど、ケンカを終わらせてくれる友達って貴重だよなあ。歩み寄ってくれるの、嬉しくない?自分ができないからこそ、眩しく感じる。

藤代は、日賀の性格を理解して、そんな日賀が正直になれるような言葉を言うことができて。でもそれを”日賀のため”とか思うこともなく、自分を省みての行動で、そういう風に考えて行動できるのってすごい。

藤代が日賀に「お前のために時間作るのが楽しいんだ」って言ってて、そのセリフにちょっと泣いた。こんなあったかい言葉もらえるの、いいなあ。言える藤代もかっこいい。

5話あらすじ・感想

日賀の元カノ(医者の同僚)に買い物に付き合わされる藤代。誰かと付き合っている日賀が想像できなくて、知りたいと思うものの、なぜか少し悔しくて聞けない。

その夜、初めて日賀から電話がかかってきて「飯を作りに来い」と。不器用な日賀の小さな甘えに、応えてやろうと思う藤代。

この日のいろいろな出来事をきっかけに、藤代は日賀が自分にとって特別な人間なんだって自覚して、というか、これまでもそんな気はしてたけど、その気持ちに向き合ってこなかったから、これからは向き合っていこうって決めた感じかな。

そうだよねえ。今の関係は多分ちょっと曖昧な関係で、曖昧な関係ってずっと続くものじゃないから、元カノに嫉妬心(?)が出たことで、ちゃんと”言葉にしよう”とか”気持ちを伝えよう”ってなったんだよね。

6話あらすじ・感想

日賀が、病院の先輩に食事に誘われて、藤代との先約を反故にしてそちらに行こうとするシーン。その先輩の言ったセリフが心にぶっ刺さった。”仕事は、技術や能力があれば務まるってものじゃなくて、何かを達成していくためには、自分が豊かであるほうが良い”と。

日賀は、自分の幸せより、仕事を優先させる性格で。だけど、先輩が言うには、自分が豊かであることが仕事にもつながる、と。

私は割と日賀に近い人間性で、何を差し置いても仕事を優先してしまう傾向にあって、そのせいで友人とか家族とかを蔑ろにしてしまうことがあるから、この先輩の言葉がめちゃくちゃ沁みた。

『シャングリラの鳥』の感想でも少し触れたけど、特に人と関わる仕事って、自分が満たされてるから人に優しくできたり、人に何かを与えられたりして、だから与えるばかりになりがちで、自分がどんどんすり減っていくことが多いんだと思う。

だからちゃんと、自分のことも幸せにしてあげようっていう言葉が、すごく泣けた。

『ラブラド・レッセンス』タイトルの意味

ラブラどレッセンスっていうのは、ラブラドライトっていう天然石の光のことで、見る角度で光の色が変わるらしい。それが人間のようだって言った学者がいたとか。

『ラブラド・レッセンス』は、その名前の通り、見る角度で光の色が変わるようなラブラドライト=人間の一面・魅力として、藤代と日賀ががお互いそれぞれの魅力を目に映したことで生まれたストーリーなんだなって思った。

『ラブラド・レッセンス』まとめ

著者のymz(やまづ)さんの作品初めて読んだんだけど、多分作風好きっぽいから、他の作品も読んでみたいなと思った。また読んだら感想書きます。

BLは特に、作家買いが自分の好きな作品に出会う最良の方法だよね。。

この2人の日常をずっと見てたいなあ。と思える穏やかで優しくて暖かい作品だった。

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